開会のあいさつ 理事長 脇田 浩美

開会のあいさつ 理事長 脇田 浩美

あひる福祉会・あひる保育園30周年にきていただいてありがとうございます。
いろいろな人に支えられこの日を迎えることが出来ました。
今から40年前に子どもを産んで働き続けたいという3人の親の願いからあひる共同保育所が誕生しました。10年近い共同保育所から民間運動を経て、今から30年前に40名定員のあひる保育園が誕生しました。そしてその年に私達の本当の支えになってくれた父母の会も誕生しました。当時この地は、宝塚の中でも過疎とは言わないでもさみしい所と言われていましたが、私達が過ごしてみると散歩に行けば、たんぼがあり、れんげ畑がありで、非常に豊かな環境がありました。当時ムクちゃんという犬がいました。本当に素直ないい犬で、私たちの心をつなげてくれました。あひる保育園なのでということであひるも飼っていたりしました。

私たちは保育は『学ぶもの』と思っていました。さくら・さくらんぼリズムの斉藤公子先生やそれから午前睡を提唱された川添先生など法人に来ていただいて職員一同本当に学ばせてもらいました。そして16年前には園舎を増改築するということで、それで90名定員の保育園になり、10年前には安倉中に第二あひる保育園という分園を作りました。また5年前には宝塚で始めての公立保育所の移管第一号として山本南保育園を誕生させました。

振り返ってみるとこの30年間で大きく3つの流れがあったように思います。共同保育所の時代は『困難を切り開く時代』そして認可後は、保育も運営も勉強、勉強で『学んであひるのものを作っていこうという時代』、そしてその積み上げたものを『種をまく時代』分園や山本南保育園が出来たことが、同じような保育園を作りたい。質のいい保育園を作りたい。という思いで広げてきました。私も定年退職してから家業を手伝うようになって、園から離れていたんですが、昨年から理事長ということであひる保育園に戻ってきましたが、子どもの目の輝きは少しも変わっていない。声をかけてくれる子どもたちがいる。行事も合宿もあり、保育内容が受け継がれており、私も空白を埋めるかのように子ども達を見ることができますし、子どもたちの目はキラキラと輝いています。
今、あひる保育園の保育はインターネットを通じて全世界に発信しています。

いつでもだれでも目にすることが出来ます。Facebookでは本園、第二の保育内容、給食、すくすくの内容が毎週のように掲載されています。時折の覗いていただけたらと思いますし、皆さんからの投稿をお待ちしています。特にOBの皆さんからは是非投稿をお寄せいただきたいと思っております。

園児はもとより、地域に暮らす子育て真っ最中の皆さんに楽しく子育てできるよう、何よりも子どもたちが輝けるような保育園に引き続き、社会福祉法人として事業を積み上げていきたいと考えております。これからも引き続き皆さんのご支援、ご協力をお願いします。
今日は本当にたくさんおいでいただいてありがとうございました。

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30周年を祝う会の様子~前半篇~

式次第

カチンコ

30周年スライド

30周年スライドショー写真

開場をしてから開会までの間、スライドショーをおこないました。
来場された方達は、懐かしい園での光景や当時の子どもたちの姿をみて、「あの時はこうだったなぁ」「そうそう!みんなでココにも行ってた!」など、来ていただいた方それぞれがあひる保育園での思い出に心をよせていました。

記念講演「育ち合いの保育から学んだこと」

神戸大学大学院  木下孝司教授

神戸大学大学院 木下 孝司 教授

4、5年前からあひる保育園へ研究の為、来られている大学教授の先生です。
その中で、木下先生が見て感じたあひる保育園についてを講演してくださいました。

園での様子をみていて、子ども達が『人ができたことが自分もうれしい』という思いをもてていることを感じました。当時の生活発表会の題材で年長組が「泣いた赤鬼」の劇をしていました。その挿入歌で「ぼくの喜びは君の喜び 君の喜びはぼくの喜び」というフレーズがあり、この劇を見てまさにあひる保育園の根幹を表しているではないかと感じました。それでは、どうしてそういう気持ちをもった子ども達に育ったのでしょうか。
あひる保育園では「リズム運動」「午前午睡を含めた生活リズム」「表現活動の大切さ」という『保育』を職員が学び、それを取り入れるだけでなくあひる保育園なりに味付けされてきたというのを感じました。

さらに、「子ども」「保護者」「保育者」が互いに育ち合ってきたということが基本にあったからではないかと思います。
また、それに合わせて宝塚の保育環境の素晴らしさ、待機児解消に加えて地域で一緒に子どもを育てていこうという姿勢が感じられました。

ここで一つの絵本の紹介をします。
小さな女の子のお家に赤ちゃんがやってきました。
今までとは違う生活の中で、甘えたい気持ちを“ちょっとだけ”我慢して、お姉ちゃんとして“ちょっとだけ”頑張ったらできた!という女の子の気持ちと、そのことをお母さんが受け止めてくれていたことが伝わってくるお話です。

そのお話の中で

①かけがえのない自分、誇らしい自分②無条件に大事にされている自分③必要とされている自分

子育ちの中で大切なこの三つが、表現されていると感じました。

この競争社会で、子どもたちがずっと何かに追われている時代になっている中、あひる保育園は、大人に向かう子どもたちのべースキャンプとして、また実家のような保育園になっているように感じています。

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30周年を祝う会の様子~後半篇~

See you again!